相続の流れ(相続放棄について)
もしも、預金や預貯金といったプラスの財産が無く、残念ながら、借金だけが残ってしまっている…といった場合、家庭裁判所へ「相続放棄の申述(しんじゅつ)」をすることで、借金の返済義務から解放されますので、定められた期限内に、家庭裁判所へ申述しましょう。
但し、以下のような注意点があります。 |
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原則として、プラスの財産を相続して、マイナスの財産だけを放棄する、という事は出来ません。
「相続を放棄する」という事は、一切を放棄する事になりますので、財産の有無や評価額・債務額(=借金)の調査・算出をしたうえで、行うとよいでしょう。
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預金を引き出して、治療費や葬儀代を支払ったりしてしまいますと、相続をしたものと見做されて、借金の相続放棄が難しくなるおそれがありますので、お支払いの前に、お近くの専門家にご相談することをお奨めします。
- 「期限」が設定されています。
「相続を知ったとき」から「3ヶ月」です(民法第915条)。
期限を過ぎても、例外的に相続放棄を認めてもらえることもあります。 |
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それは… 相続財産が全く無いと思っていて、そのうえ、無いと思うに相当な理由があるような場合は、「実は、相続財産があったんだ。」という事を、知ったときから3カ月以内に申述すれば、認めらえることもあります。 |
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なるべく早い時期に、正・負の財産を調べて、相続の放棄をするべきなのかどうか、の判断をしましょう。 |
それでは、どこの家庭裁判所に申述したらよいのか、といいますと…
○ お亡くなりになった方(=被相続人と言います。)の最後の住所地の家庭裁判所です。
○ 神奈川県の場合は、以下のとおりです ↓
最後の住所地 |
申述する家庭裁判所 |
横浜市 |
横浜家庭裁判所 |
川崎市 |
横浜家庭裁判所 川崎支部 |
相模原市、座間市 |
横浜家庭裁判所 相模原支部 |
横須賀市、逗子市、三浦市、 |
横浜家庭裁判所 横須賀支部 |
小田原市、秦野市、南足柄市、 |
横浜家庭裁判所 小田原支部 |
申述に必要な書類とは…
○ お亡くなりになった方(=被相続人と言います。)の住民票除票と戸籍謄本。
○ 相続放棄する方の戸籍謄本
○ 収入印紙代・800円。
○ 家庭裁判所との連絡用の切手代。
ご覧のように、申述に必要な費用は少額ですので、ご安心下さい。 |
相続放棄の申述が、無事に受理されますと…
○ 債権者(=お亡くなりになった方に、お金を貸していた金融会社など。)に、連
絡することで、支払督促から解放されます。
○ 家庭裁判所では、相続放棄の証明書を1通500円で作成してくれますので、ご参考にして下さい。
ここまでのお手続きが終わりますと、ひと安心です。 |
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なお、家庭裁判所に対するお手続きは、お客様ご自身、もしくは、弁護士さん等をご案内しています。 |
相続放棄のお手続きの流れ
ⅰ)提出
「 相続放棄の申述書 」と、お亡くなりになった方の戸籍謄本や住民票、放棄する方の戸籍謄本等を家庭裁判所に提出します。
ⅱ)返送
家庭裁判所から、放棄する方へ「 照会書 」が送られてきますので、必要事項を記載して、返送します。ⅲ)通知
審理が終了すると、家庭裁判所から通知が来ます。
【 参考 】
○ 借金等の督促がくる場合は、「 相続放棄の申述が受理された 」と連絡して下さい。
( 1通150円にて、家庭裁判所から証明書を発行してもらう事もできます。 )
○ 費用( 実費 )は、3千円ほどです。
放棄をする方が、家庭裁判所に提出して下さい( 郵送でも大丈夫です )。